記録映画のアーカイブを活用して、映像を用いた多様な研究・教育の可能性を再発見する連続ワークショップ。その第5回は、茨城県常総市で新たに見つかった社会科の教材映画を特集します。 昨年、常総市の市立水海道小学校にあるフィルムライブラリーから、戦後間もない頃に作られた視聴覚教材用の16ミリフィルムが大量に見つかりました。これらの映画を改めて見直してみると、当時の教育や生活の様子が浮かび上がってきます。 なかでも「社会科教材映画大系」は戦後に新しく創設された社会科を小学生向けにわかりやすく解説したユニークなシリーズです。その第1作「はえのいない町」は水海道小学校を舞台に撮影されたことでも知られています。 社会科教材映画とはどのようなものか。それらはどのように作られ、どのように見られたのか。今回のワークショップでは、戦後の日本を民主化する柱となった社会科とその教材映画が果たした役割や背景について多角的に議論します。 |
日時:2011年3月6日〈日〉 14:00-18:00(開場は13:30)
場所:東京大学本郷キャンパス(赤門横)
福武ホール・ラーニングシアター(B2F)地図
主催:東京大学大学院情報学環(記録映画アーカイブ・プロジェクト)ほか
<ゲスト>
藤瀬季彦(カメラマン・元岩波映画製作所社長)
Gregory M. Pflugfelder グレゴリー・フルークフェルダー(コロンビア大学)
中村秀之(立教大学)
<総合司会>
丹羽美之(東京大学)
入場無料・事前登録制(終了いたしました)
13:30 | 開場・受付開始 |
14:00-15:10 |
開会 総合司会:丹羽美之(東京大学) <映画上映> 『わが街の出来事』 1950年・14分(CIE映画) (シュウタグチプロダクション、監督:岩下正美、撮影:岡崎宏三 ) 『はえのいない町』 1950年・12分 (岩波映画製作所、脚本:羽仁進、 監督:村治夫、撮影:吉野馨治) 『伝染病とのたたかい』1950年・12分 (都映画社、監督:松岡佑 撮影:広川朝次郎) 『町と下水』 1953年・21分 (岩波映画製作所、脚本・演出:羽仁進、撮影:藤瀬季彦) |
15:10-15:30 | 休憩 |
15:30-16:00 | 制作者が語る 藤瀬季彦(カメラマン・元岩波映画製作所社長) |
16:00-17:00 | パネリスト報告 中村秀之(立教大学) グレゴリー・フルークフェルダー(コロンビア大学) |
17:00-18:00 | 全体討論 藤瀬季彦、中村秀之、グレゴリー・フルークフェルダー、吉見俊哉(コーディネーター) |
*今回のワークショップは、2日間にわたるシンポジウム「占領期・ポスト占領期の視聴覚メディアと受容―民主化・冷戦・モダニティ」の一環として開催されます。前日の5日には愛媛大学・立教大学の科研費プロジェクトによるCIE/USIS映画関連のセッションも予定されています。こちらもあわせてご参加ください。(1日目は事前申込不要・直接会場へお越しください。) |
シンポジウム1日目 「浸透するアメリカ・変容するアジア―CIE/USIS映画とラジオ放送」 日時:2011年3月5日(土) 14:00-18:00(13:30開場) 場所:東京大学本郷キャンパス 情報学環・福武ホール 福武ラーニングシアター(B2F) 総合司会:井川充雄(立教大学) イントロダクション:身崎とめこ(ジェンダー問題研究所) 「岩波映画とCIE映画をつなぐもの―衛生映画を中心に」 報告1: 許殷(高麗大学)「駐韓米公報院映画と冷戦時代米国のヘゲモニー構築」 報告2: Kenneth Osgood(ウィリアムズ大学) 「広告/広報/心理戦? ―冷戦期米国の情報活動を評価する」 報告3: 土屋由香(愛媛大学) 「アイゼンハワー政権の原子力の平和利用キャンペーンとUSIS映画」 報告4: 小林聡明(東京大学) 「冷戦期東アジアにおけるアメリカ・プロパガンダ―韓国・北朝鮮、そして沖縄」 コメント:藤田文子(津田塾大学)、黄盛彬(立教大学) パネルディスカッション:吉見俊哉(東京大学、コーディネーター) |
2日目が、記録映画アーカイブ・プロジェクト第5回ワークショップ「社会科映画と日本の民主化~発見された常総市コレクション」となります。こちらは本ページより、事前申し込みをお願いいたします。 |
<シンポジウム主催> 東京大学大学院情報学環、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B・研究代表者:丹羽美之)「記録映画アーカイブに見る戦後日本イメージの形成と変容」、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B・研究代表者:土屋由香)「占領~ポスト占領期のアメリカ広報宣伝/メディア政策-映像とラジオを中心に」、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B・研究代表者:井川充雄)「冷戦期における米国の『広報外交』の実態とその評価法の解明」 |